── ミニバン選びで「ゴルフバッグが何個積めるか」なんて、家族の手前なかなか大声では言えない。
しかし、我々ゴルファーにとって、それは燃費や安全性能と同じくらい…いや、それ以上に重要なファクターのはずだ。 週末のコンペ、仲間を乗せて颯爽とゴルフ場へ向かう姿を想像するだけで、脳汁が出そうになる。 だが、現実は甘くない。 3列目シートを畳まないと積めない、なんてことになれば、せっかくのミニバンも宝の持ち腐れだ。
普段は30系後期のアルファードを乗り回している俺、飛ノ玉彦が、今回はその宿敵とも言える日産セレナの積載能力を、執念深く、そして徹底的に調べ上げてきた。 もちろん、カタログスペックを鵜呑みにするほど俺はお人好しじゃない。 データ分析はもちろん、実際にディーラーに乗り込んで試乗し、そのラゲッジスペースを隅々まで舐め回すようにチェックしてきた。
この記事を読めば、以下のことが白日の下に晒されるだろう。👇
- 新型セレナ(C28型)の真のゴルフバッグ積載能力
- 歴代モデルから進化した点、そして退化した点
- 購入前に知らなければならない、セレナの収納に関する致命的な欠点
- アルファード、ヴォクシー、ステップワゴンとの積載能力ガチンコ比較
この記事を読み終える頃には、あなたが次に買うべきファミリーカーが、あなたのゴルフライフを犠牲にしない「賢い選択」なのか、それとも「後悔の買い物」になるのか、ハッキリと見極められるはずだ。
目次
- 新型セレナのゴルフバッグ収納能力を徹底解剖
- 【要注意】セレナの収納で知るべき欠点と致命的な落とし穴
- セレナ vs ライバルミニバン ゴルフバッグ積載王決定戦
- 結論:ゴルファーにとってセレナは「賢い選択」なのか?
新型セレナのゴルフバッグ収納能力を徹底解剖


結論から言おう。
新型セレナ(C28型)は、3列目シートを畳まずに9.5インチのゴルフバッグを4個積載可能だ。
これは驚くべき事実だ。
特に、俺のように体格に恵まれず、道具と知恵で勝負してきたゴルファーにとって、この「工夫された積載能力」は実に心に響くものがある。
多くのミニバンが3列目シートを犠牲にしなければゴルフバッグ4個積載の壁を越えられない中、セレナは独自のアイデアでこの難問をクリアしている。
その最大の武器が、大容量の「ラゲッジアンダーボックス」の存在だ。
この床下収納の深さを利用することで、ゴルフバッグを「縦積み」できる。
これがセレナの積載能力を飛躍的に高めている核心部分だ。
仲間4人で乗り合わせ、それぞれのキャディバッグをスマートに縦に収納していく様は、さながら武器庫にライフルを立てかけるようで、男心をくすぐるじゃないか。
実際にディーラーで試させてもらったが、9.5インチのフルセットのバッグがスッと収まった時には、思わず「ほう…」と声が漏れた。
走行中に倒れないように固定する工夫は必要だが、この芸当は他のミニバンにはなかなか真似できない。
まさに、空間の”絶対量”で劣る分を、設計の”知恵”でカバーしている証拠だ。
さらに、セレナにはゴルファーの心を鷲掴みにするもう一つの機能がある。
「デュアルバックドア」だ。
これはバックドア全体を開けずに、ガラスハッチ部分だけを開閉できる機能。
これが実に使い勝手がいい。
例えば、コンペの帰り、後部座席の仲間が仮眠している中、自分のシューズケースだけをサッと取り出したい時。
あるいは、後ろに他のクルマがピッタリと駐車している絶望的な状況でも、このハーフバックドアなら荷物の出し入れが可能だ。
俺のアルファードは電動で便利だが、デカいドアを全開にするスペースがない時はただの鉄の塊と化す。
この点において、セレナの細やかな配慮は、正直言って羨ましいレベルだ。
シートアレンジの多彩さもセレナの魅力だろう。
3列目シートは「スマートアップサードシート」と名付けられており、低い位置に跳ね上げられるため、小柄な俺でも操作が非常に楽だった。
格納時も後方視界をあまり妨げない設計は、日常使いでのストレスを軽減してくれる。
片側だけ跳ね上げて5人乗り+大量の荷物、なんて使い方も朝飯前だ。
参考までに、主要グレードのスペックを見てみよう。
| グレード名 | 駆動方式 | 全長 | 全高 | 車両重量 | 新車価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| X | FF | 4,690 mm | 1,870 mm | 1,670 kg | 271万円 |
| XV | FF | 4,690 mm | 1,870 mm | 1,680 kg | 298万円 |
| ハイウェイスターV | FF | 4,765 mm | 1,870 mm | 1,690 kg | 316万円 |
| AUTECH | FF | 4,810 mm | 1,725 mm | 1,790 kg | 373万円 |
※上記はガソリン車の例
もちろん、最新のセレナに関する詳細な情報は、公式サイトで確認するのが一番確実だ。
興味があるなら、一度自分の目で確かめてみることをお勧めする。
日産:セレナ [ SERENA ] ミニバン/ワゴン TOP
総じて、セレナの積載能力は、単なる「広さ」ではなく、「使いやすさ」と「アイデア」に満ち溢れている。
これは、体格に恵まれた奴らを飛距離で出し抜くために、クラブセッティングやスイング理論を徹底的に研究する俺のゴルフスタイルとどこか通じるものがある。
ただデカいだけの奴らを見返す、そんな快感がセレナのラゲッジには詰まっているのかもしれない。
【要注意】セレナの収納で知るべき欠点と致命的な落とし穴


セレナの積載能力を手放しで賞賛する前に、その光が作る影の部分にもしっかりと目を向けなければならない。
特にゴルファーにとって、この欠点は購入動機を根底から揺るがしかねないほど重要だ。
最大の注意点、それは4WDモデルである「e-4ORCE」を選ぶと、ゴルフバッグの積載能力が激減するという事実だ。
e-4ORCE車は、後輪を駆動させるためのモーターやバッテリーを搭載する関係で、ラゲッジアンダーボックスの形状がガソリン車や2WDのe-POWER車と全く異なる。
床が底上げされ、あの便利な深さが失われてしまうのだ。
その結果、どうなるか?
積載可能数は、わずか2個。
しかも、得意の「縦積み」は不可能となり、「斜め置き」での対応を迫られる。
これは、はっきり言って致命的だ。
4人でのゴルフを夢見てセレナを選んだにもかかわらず、雪国のゴルファーやウインタースポーツも楽しむために4WDを選んだ瞬間、その夢は潰える。
これはカタログの隅に小さく書かれているだけかもしれないが、俺たちにとっては大問題だ。
なぜメーカーはもっと大々的にこの事実を伝えないのか、正直言って不誠実さすら感じる。
購入を検討しているなら、自分のライフスタイルと照らし合わせ、どのグレードを選ぶべきか、血眼になって吟味する必要がある。
欠点はそれだけではない。
旧モデルであるC27型からの乗り換えを検討しているユーザーも注意が必要だ。
レビューによれば、C27型では3列目シートを使用した状態でのゴルフバッグ横置きが非常に厳しいという声が多い。
特にe-POWERモデルでは横置きが不可能と断言する声もある。
ヘッドレストが収納の邪魔になるという指摘もあり、積載時には細かな工夫と、ある種の諦めが必要になる場面もあるようだ。
さらに、積載能力とは直接関係ないが、実際のユーザーレビューに目を通すと、見過ごせない不満点が散見される。
例えば、こんな声だ。
- 運転席周りの収納が絶望的に少ない。
- シートベルトを外した際の金具が窓ガラスに当たり、不快な音がする。
- 発進時の加速が「もっさり」しており、ストレスを感じる。
- 3列目シートを跳ね上げると、2列目のリクライニングが制限される。
これらの細かな不満は、日々の運転で確実にストレスとして蓄積していく。
特に、ゴルフ場までのワインディングロードで加速がもっさりしているなんて、考えただけで気が滅入るじゃないか。
せっかくのゴルフ当日の高揚感を、道中のストレスで削がれるのは御免だ。
これらのリアルな声は、自動車専門メディアのレビュー記事でも触れられていることがある。
例えば、Car Watchのような信頼できるサイトで、プロのジャーナリストがどう評価しているかを確認するのも一つの手だ。
メーカーの美辞麗句に踊らされず、こうした生々しい情報にこそ、俺たちが求める真実が隠されている。
セレナは確かに賢いクルマだが、その賢さと引き換えに我慢を強いられる点も少なくない。
それを理解した上で、購入のジャッジを下すべきだ。
セレナ vs ライバルミニバン ゴルフバッグ積載王決定戦


ミニバン選びは、ゴルファーにとって代理戦争のようなものだ。
どのクルマが最もスマートに、そして最も多くのゴルフ仲間とギアを運べるのか。
その答えを探るため、主要なMクラス・Lクラスミニバンのラゲッジ性能を比較検証する。
俺の独断と偏見、そして執念の調査結果がこれだ。
【ゴルフバッグ積載能力 徹底比較表】
| 車種名 | クラス | 3列目使用時 積載数(目安) | 3列目格納時 積載数(目安) | 荷室の工夫・特徴 | 飛ノ玉彦の寸評 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日産 セレナ (C28) | M | 4個(縦積み)※2WD/ガソリン | 4個以上 |
|
知恵と工夫で勝負する技巧派。3列目使用時の積載能力は驚異的だが、4WDの弱点が惜しい。 |
| トヨタ ヴォクシー/ノア | M | 2個(横置き) | 4個以上 |
|
まさに優等生。突出した個性はないが、誰が使っても不満が出にくいバランスの良さが光る。 |
| ホンダ ステップワゴン | M | 2個(横置き) | 4個以上 |
|
3列目を格納した際の広大でフラットな空間は圧巻。荷室をとにかく広く使いたいなら最有力候補。 |
| トヨタ アルファード | L | 4個(横置き) | 4個以上 |
|
全てが規格外の王者。工夫など不要、圧倒的な広さで全てを解決する。見栄と所有欲を満たすならこれ一択。 |
この表を見れば、各車のキャラクターが明確にわかるだろう。
まずセレナの最大のストロングポイントは、やはり「3列目シートを使用した状態での4個積載」だ。
これは他のMクラスミニバンには真似のできない、唯一無二の武器と言える。
常に6人以上で乗車する機会があり、かつゴルフにも行くという家庭にとっては、これ以上ない選択肢になる。
まるで、どんなライからでもピンを狙えるユーティリティクラブのような存在だ。
対するヴォクシー/ノアは、まさに万人受けするアイアンセット。
3列目使用時はセレナに劣るものの、シートを跳ね上げれば広大で使いやすい空間が出現する。
突出した欠点がなく、誰にでも勧められる安心感はさすがトヨタといったところ。
詳細はトヨタの公式サイトで確認してほしいが、その完成度の高さは認めざるを得ない。
そしてステップワゴン。
これはもう、ドライバーのような存在だ。
特に3列目を床下に完全格納できる機構は秀逸で、生まれる広大なフラットスペースは、もはや”部屋”と呼んでもいい。
ゴルフバッグだけでなく、キャンプ用品や自転車など、大きな荷物を積む機会が多いなら、ステップワゴンが最強だろう。
ホンダの独創性が光る一台だ。
(ホンダ公式サイト)
最後に、我がアルファード。
言うまでもなく、これは別格だ。
Lクラスの巨体が生み出す空間は、Mクラスのミニバンが束になっても敵わない。
3列目を使おうが使うまいが、ゴルフバッグ4個など余裕で飲み込んでしまう。
この「パワーでねじ伏せる」感覚は、マン振りして300ヤード飛ばした時の快感に似ている。
もちろん、その分価格も維持費もデカいが、それに見合うだけの満足感とステータスがある。
こうして比べてみると、セレナは「空間の絶対量」ではライバルに一歩譲るものの、「空間の活用術」という点で頭一つ抜きん出ていることがわかる。
自分のゴルフスタイルや家族構成、そしてクルマに何を求めるのかを明確にすれば、自ずと選ぶべき一台が見えてくるはずだ。
結論:ゴルファーにとってセレナは「賢い選択」なのか?


セレナというクルマを深く知れば知るほど、それはまるで俺自身を見ているかのような、不思議な感覚に陥った。
結論から言えば、セレナは「万人向けの最強ミニバン」ではない。しかし、「特定の条件下にあるゴルファーにとっては、他のどのクルマにも代えがたい最高の相棒」になり得る。
セレナは、アルファードのような圧倒的な「パワー(空間)」で勝負するクルマではない。
ヴォクシーのような「バランス」でそつなくこなす優等生でもない。
セレナの真価は、限られた車体サイズという制約の中で、「知恵(アイデア)と執念(工夫)」を駆使して、ライバルにはない価値を生み出している点にある。
ラゲッジアンダーボックスを使った縦積みや、デュアルバックドアといった機能は、まさにその象徴だ。
では、具体的にどんなゴルファーがセレナを選ぶべきなのか?
【セレナが最高の選択肢となるゴルファー像】
- 家族構成員が多く、3列目シートを日常的に使う人: 7人、8人で乗車したままゴルフ場へ向かえるというメリットは計り知れない。
- 自宅やよく行く駐車場のスペースが狭い人: デュアルバックドアの恩恵を最大限に受けられる。いちいちクルマを前に出す手間から解放されるだろう。
- 運転支援技術で、長距離移動の疲労を軽減したい人: 定評のある「プロパイロット」は、ゴルフ場までの高速道路走行を劇的に楽にしてくれる。
- 「いかにもミニバン」というオラオラ系のデザインが苦手な人: セレナの洗練されたスマートなデザインは、都会的なゴルファーによく似合う。
逆に、セレナを選んで後悔する可能性が高いのは、次のようなゴルファーだ。
【セレナを避けるべきゴルファー像】
- 積雪地帯に住み、4WD性能と積載性の両立を絶対に求める人: 前述の通り、e-4ORCEの積載能力は致命的に低い。この条件の人は、他の選択肢を探すべきだ。
- 運転の楽しさや、力強い加速性能を重視する人: レビューにもある通り、セレナの走りは穏やかだ。ゴルフ場までの峠道をキビキビ走りたいなら、物足りなさを感じるだろう。
- 何よりも荷室の絶対的な広さを求める人: ゴルフだけでなく、キャンプなど大量の荷物をフラットな空間に積みたいなら、3列目床下格納を持つステップワゴンの方が幸せになれる。
俺自身、最終的に選んだのはアルファードだった。
それは、俺がゴルフにもクルマにも、「見栄」と「絶対的なパワー」という、ある種の野暮なロマンを求めてしまったからだ。
だが、もし俺がもっと家族思いで、もっと賢い選択ができる人間だったなら、セレナの合理性と細やかな配慮に、心を奪われていたかもしれない。
セレナは、体格(車格)のハンデを、知恵と工夫で乗り越えようとする、まるで俺のようなゴルファーのためのクルマだ。
もし、あなたがカタログスペックの数字だけでは測れない「賢さ」に価値を見出すなら、ぜひ一度、お近くの日産ディーラーで試乗してみることを強く勧める。
もしかしたら、それはあなたのゴルフライフを、そして家族との時間を、もっと豊かにする出会いになるかもしれないからだ。
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