── あの流麗なクーペSUV、ハリアー。街で見かけるたび、正直に言って嫉妬を覚えます。
だがしかし、我々ゴルファーにとってクルマは単なる移動手段ではありません。 大事な商売道具であるゴルフバッグを積めなければ、それはただの鉄の塊。 見た目に惚れて買ったはいいが、ゴルフ仲間とのラウンドで 「俺のバッグ、積めないかも…」 なんて、想像するだけで脳の血管が2~3本切れそうです。
普段は積載性モンスターのアルファードを乗り回している私、飛ノ玉彦が、なぜハリアーを語るのか。 それは、あの洗練されたデザインの前に、ゴルファーとしての実用性が本当に両立するのか、徹底的に検証せずにはいられなかったからです。 潤沢な資金(と時間)を投じ、データ分析と試乗を重ね、その実力を丸裸にしてやりました。
この記事を読めば、以下の点が明確になります。👇
- ハリアーの荷室にゴルフバッグが一体何個積めるのか
- 4人分のバッグを積むための”裏ワザ”
- ライバルSUV(RAV4、CX-5など)との積載能力の決定的な違い
- PHEVモデルが持つ、ゴルファーにとっての真の価値
この記事を最後まで読めば、あなたがハリアーというクルマを、単なる憧れで終わらせるべきか、それとも生涯の”相棒”として迎え入れるべきか、 確信を持って判断できるようになるでしょう。
目次
- ハリアーの流麗なデザインにゴルフバッグは積めるのか?
- ハリアーのゴルフバッグ収納における「妥協点」とは?
- 【執念の積載検証】ハリアーの荷室にどう収納する?
- 結論:ハリアーは「勝ち組」ゴルファーの選択肢となり得るか?
ハリアーの流麗なデザインにゴルフバッグは積めるのか?


現行の80系ハリアーは、もはや単なるSUVという枠には収まりません。
トヨタ自身が「高級クロスオーバーSUV」と謳うその姿は、まるで流麗なクーペのよう。
特に、夜のホテルのエントランスに乗り付けた時の存在感は、他の国産SUVとは一線を画します。
正直、私が乗っているアルファードが「ガタイのいい番長」だとしたら、ハリアーは「知的でクールな生徒会長」といったところでしょうか。
まったく、気に食わんほどカッコいい。
この所有欲をくすぐるデザインは、TNGA(GA-K)プラットフォームという強固な骨格に支えられています。
これにより、見た目の美しさだけでなく、走りの質感も飛躍的に向上しました。
実際に試乗してみると、その乗り心地はまさに高級サルーン。
路面の凹凸を実にしなやかにいなし、静粛性も極めて高い。
これなら、ゴルフ場までの長距離移動もまったく苦にならないでしょう。
特に内装の質感は特筆すべき点です。
合成皮革を巧みに使い、ダッシュボードからドアトリムに至るまで、触れる部分のほとんどがソフトな素材で覆われています。
このあたりは、トヨタの公式サイトでも自信満々にアピールしているポイントですね。
| 項目 | スペック | 飛ノ玉彦の所感 |
|---|---|---|
| 全長 | 4,740mm | 取り回しと存在感のバランスが絶妙。 |
| 全幅 | 1,855mm | 都会の駐車場では少し気を使うが、許容範囲。 |
| 全高 | 1,660mm | クーペライクなシルエットの要。 |
| 内装 | 合成皮革を多用 | 価格以上の高級感。所有欲が満たされる。 |
後部座席の居住性も驚くほど良好です。
クーペスタイルだから狭いだろうと高を括っていましたが、大人の男性が足を組んでも余裕のあるスペースが確保されています。
これなら、プレー後の疲れた身体で後部座席に乗るゴルフ仲間から文句が出ることもないはずです。
しかし、我々ゴルファーが最も重要視すべきは、この美しいデザインと引き換えに何を失ったか、です。
特に、後方に向かって絞り込まれたルーフラインは、どう考えても荷室容量に影響を与えているはず。
この流麗なデザインの中に、我々の”夢”と”希望”が詰まったゴルフバッグは、果たして何本収まるのでしょうか。
この点を曖昧にしたまま、ハリアーを語ることはできません。
ハリアーのゴルフバッグ収納における「妥協点」とは?


ハリアーの最大の魅力がデザインであることは間違いありません。
しかし、そのデザインこそが、我々ゴルファーにとっての最大の”妥協点”を生み出しているのです。
それは、荷室容量の限定性に他なりません。
まず、具体的な数値を見てみましょう。
ハリアーの荷室容量は409L(PHEVモデルは408L)。
この数字だけ聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは正直言って、ミドルサイズSUVとしては物足りない数値です。
| 車種名 | 荷室容量(L) | 飛ノ玉彦の寸評 |
|---|---|---|
| トヨタ ハリアー | 409L | デザインの代償。もう少し何とかならなかったのか。 |
| トヨタ RAV4 | 580L | 実用性の塊。ハリアーが見栄なら、こっちは実利。 |
| マツダ CX-5 | 505L | バランス型だが、それでもハリアーより100L近く大きい。 |
| レクサス NX | 520L | 価格は上だが、積載性も上。悩ましい存在。 |
表を見れば一目瞭然。
兄弟車ともいえるRAV4の公式サイトを見ると、その差は歴然です。
RAV4が580Lもの広大なスペースを確保しているのに対し、ハリアーは約170Lも少ない。
これは、ゴルフバッグ1個分以上の差に相当します。
まさに、デザインのために実用性を削ぎ落とした結果と言えるでしょう。
さらに、ユーザーからの口コミに目を向けると、このクルマが抱えるいくつかの課題が浮かび上がってきます。
特に2.0Lのガソリンモデルに関しては、「登り坂でパワー不足を感じる」という声が少なくありません。
ゴルフ場は山間部にあることが多いですから、これは無視できないポイントです。
また、ワイパーの設計上、雨天時に視界の上部に拭き残しが発生しやすいという指摘もあります。
些細なことかもしれませんが、一度気になると、運転中のストレスになりかねません。
そして、最も悩ましいのが価格設定です。
ステアリングヒーターやシートベンチレーションといった快適装備は、上級グレードの「Z」、しかも「Leather Package」を選択しないと付いてきません。
「高級感を味わいたければ、金を出しなさい」というトヨタ流の商法がここにも見て取れます。
要するに、ハリアーは「カッコよさ」という絶対的な価値を提供する代わりに、積載性や細かな快適性において、ユーザーにいくつかの”妥協”を強いるクルマなのです。
この妥協点を理解した上で、それでもなおハリアーを選ぶ価値があるのか。
次の積載検証で、その答えを見つけ出しましょう。
【執念の積載検証】ハリアーの荷室にどう収納する?


メーカーの公式見解では、ハリアーの荷室には9.5インチのゴルフバッグを3個積載可能とされています。
しかし、我々執念のゴルファーは、メーカーの言うことを鵜呑みにしたりはしません。
常識を疑い、限界を探るのが我々の流儀です。
まず、荷室の寸法を再確認しましょう。
- 荷室長:985mm
- 最大荷室幅:1,265mm
一般的なキャディバッグの長さは、フードまで含めると約1250mm~1300mm。
つまり、どう考えても真横には積めません。
これがハリアー積載の基本にして最大のポイントです。
バッグは必ず斜めに寝かせて積むことになります。
▼ゴルフバッグ3個の積み方(基本編)
- まず1個目のバッグを、荷室の右奥から左手前に向かって斜めに置きます。
- 次に2個目のバッグを、1個目のバッグの上に、逆方向(左奥から右手前)にクロスさせるように重ねます。
- 最後に3個目のバッグを、空いているスペースに同じく斜めに置きます。
この方法であれば、後方視界を大きく妨げることなく、比較的スマートに3個のバッグを収納できます。
▼ゴルフバッグ4個の積み方(応用・裏ワザ編)
ここからが本番です。 「工夫次第で4個積める」という情報を元に、様々なパターンを試しました。 結論から言うと、 条件付きで可能 です。
【条件】
- バッグのうち1~2個が、スリムなスタンドタイプであること。
- 4人分のドライバー(長尺クラブ)をすべてバッグから抜き、別途隙間に置くこと。
- 後方視界がかなり悪化することを覚悟すること。
【積み方の手順】
- まず、荷室の床面に、ドライバーを抜いたキャディバッグ2個を、互い違いになるように(ヘッド側とボトム側を逆にする)置きます。
- その上に、残りのバッグ2個(できればスリムなタイプ)を同じように互い違いに重ねます。この時、テトリスのように隙間を埋める意識が重要です。
- 最後に、抜いておいたドライバー4本を、バッグの隙間や側面に慎重に滑り込ませます。有名ゴルフブランドの キャロウェイのサイト などを見ると、最近はコンパクトなバッグも増えているので、仲間内で協力するのも手でしょう。
この方法を使えば、後部座席を倒さずに4人でのゴルフ旅行も不可能ではありません。
しかし、正直に言って、あまりスマートとは言えません。
毎週末これを行うのは、かなりの手間とストレスになるでしょう。
やはり、ハリアーは本来、2~3人で優雅にゴルフへ向かうためのクルマなのです。
積載性を最優先するなら、素直にRAV4や、私が乗っているようなミニバンを選ぶべきです。
この”ひと手間”を許容できるかどうかが、ハリアーオーナーの資格を問う試金石となるでしょう。
結論:ハリアーは「勝ち組」ゴルファーの選択肢となり得るか?


ここまで、ハリアーのデザインの素晴らしさと、その裏に潜む積載性の厳しさについて、執拗なまでに語ってきました。
結論として、ハリアーは「すべての人におすすめできる万能車ではないが、特定の価値観を持つゴルファーにとっては、これ以上ない最高の選択肢となり得る」クルマです。
では、ハリアーがふさわしいゴルファー像とは一体どのようなものでしょうか。
▼ハリアーを強くおすすめできるゴルファー
- デザインと所有欲を最優先する方: 何よりも、クルマの見た目やステータス性を重視し、ゴルフ場でも一目置かれたいと考えている方。ハリアーの持つオーラは、その期待を裏切りません。
- 主に2~3人でプレーに行く方: 4人乗車でのゴルフが稀で、夫婦や親しい友人とラウンドすることが多い方にとっては、積載性は何の問題にもなりません。
- 走りの質感を重視する方: 特に、2022年に追加されたPHEVモデルの走りは圧巻です。システム最高出力306PSという暴力的な加速と、EV走行時の圧倒的な静粛性は、まさに高級車そのもの。高速道路の合流でアクセルを踏み込めば、 体格に恵まれたアイツらのドヤ顔をへし折るくらいの脳汁が出ます。 PHEVの補助金については、 経済産業省のサイト で確認することをお勧めします。
- リセールバリューを気にする方: ハリアーは非常に人気が高いため、数年後の売却価格も安定しています。これは、ある種の”資産”としてクルマを所有する上で、非常に大きなメリットです。
逆に、ゴルフ仲間4人で頻繁に乗り合いでラウンドに行く方や、実用性とコストパフォーマンスを第一に考える方には、ハリアーは不向きかもしれません。
そのような方は、素直にRAV4やミニバンを選んだ方が、幸せになれるでしょう。
結局のところ、ハリアーを選ぶということは、ラゲージスペースという実用性の一部を差し出して、「洗練されたデザイン」と「上質な時間」という付加価値を手に入れるという決断に他なりません。
ゴルフというスポーツが、単なるスコア競争だけでなく、ライフスタイルの一部であると考えるならば、ハリアーはあなたのゴルフライフを、より豊かで満足度の高いものにしてくれるはずです。
あのデカいだけのSUVに乗る連中を横目に、流麗なハリアーからスマートにバッグを降ろす。
その瞬間の優越感に投資できるかどうか。
それが、あなたとハリアーの相性を測る、最後の質問です。

「この車、ゴルフバッグ何個積めますか?」…私がディーラーで何度この質問を繰り返してきたことか。カタログスペックの荷室容量なんて、ゴルファーにとってはほとんど役に立たない数字です。実際にキャディバッグを積んでみたら、「あれ […]
